2009,6,20
旧野麦街道
 1340m〜1672,3m  (岐阜・高山市) 

【登り 1時間48分】 【下り 37分】
【累積高低差 493m】 【距離 6km】

旧野麦街道入口-(31分)-中間2,3km地点-(33分)-地蔵堂-(34分)-野麦峠展望台-(37分)-長野県側入口


歴史感じる女工哀史の静かな旧野麦街道を歩く

リハビリ登山第三弾の2時間コースをガイドブックで模索していると、心配した母ちゃんからダメ出しが出る。
そこで冗談のつもりで、楽チンルートの野麦街道を歩くので付いて来るか?と言ってしまった。(*_*;
すると意外にも即OK!の返事・・・しまった!だが、勿論一緒に歩くのではなく、野麦峠で健気に2時間待つと言う。
以前一緒に野麦峠へ行ったのは、子供が幼稚園時代にドライブで行って以来である。
一人だと峠までの往復になるが、アッシーが居れば岐阜県側から長野県側まで歩けるので、
たまにはこんなのもいいかなぁ。(*^^)v
しかし予定の日曜の予報がイマイチなので、土曜に変更してのお出掛けとなった。

野麦峠と言えば、大竹しのぶ主演の映画「あゝ野麦峠」をテレビで見た記憶だけで、
特別の思い入れは有りませんね。


息子が5時からバイトなので、それまでには帰宅できるように6時に家を出る。
今日はター坊のエブリィー君が相棒でR41を北上。
今回隣に口うるさい連れ合いが居るので、何時もよりはノンビリ走る事に。^_^;
久々野からR361へ進路を取り高根第一ダムから野麦峠を目指す。
すると途中、正面に乗鞍がお出迎えで、次に御嶽もお出迎えである。(^^♪

8:48 残雪の乗鞍岳登場 御嶽山もお出迎え
目的地も近付く頃には徐々に青空も広がり出し、今日に変更して正解だった。
今回は新・分県登山ガイド20「岐阜県の山」を参考にしているのだが、ガイドブックはスタート地点が野麦集落の野麦の館となっている。
しかし今回はアッシー母ちゃんが居るので、野麦の館で登山靴に履き替え旧野麦街道入口まで車で行く事とした。
野麦の館から車だと、ホンの少しで旧野麦街道入口です。(駐車スペース無し)
9:07 ハイキングコース入口(1340m) 9:13 沢沿いの林道歩き
オイラを降ろした母ちゃんは、
カーナビの表示するクネクネ道を見てブツクサ言いながら去って行った。

車から降り立てば標高1340mのわりに涼しさは感じず、
長袖シャツは脱ぎ半袖Tシャツで歩き出します。
偽装していた髪は昨日切り、身軽になったようでもあり短髪は気分爽快だね。

旧野麦街道は一旦緩く下り、カラマツ林の中の野麦川沿いの林道歩きから始まります。
沢のせせらぎと小鳥のさえずり、今週も山の中へ来れた実感に浸ります。
オドリコソウ ベニバナイチヤクソウ
足元には見慣れたキンポウゲ?が少し咲いているだけで、美味しそうなフキが沢山あります。
一人でピストンだったら帰りにでも取って行けるのだが、それが出来ないフキ好きとしては勿体ない気分だね。

しばし歩き足元を何気に見ると白い花・・・アッ!伊吹山でしか見た事無いオドリコソウだぞ。
結構群生していて写真を撮りまくるも写りはイマイチであった。
次に林道の反対側に目をやれば、
花期の終わりかけたベニバナイチヤクソウが点在しています。
意外な花のお出迎えに、当然この先への期待が膨らみましたね。

沢沿いのコースはヒンヤリとして涼しく、まだまだ汗も掻かずに気持ち良く歩けます。
しかし、盛夏を思わせる蝉の大合唱には驚かされました。(@_@;)

コース上の立派な標柱には野麦峠まで3,6kmと表示してあります。
以後、各所に立っていた。
9:24 野麦峠まで3,1kmを左折 アダムとイブか?禁断の恋・・・
二本目の標柱からは林道から離れ、左の登山道らしきコースへと入って行きます。
ここにも少しオドリコソウが咲いていた。

登山道の登りも5分で終わり、古いブリキ板に「旧野麦峠」と書かれた所からは
右急斜面下に沢を見ながらの水平道が続きます。
街道に点在する古びた丸太に歴史を感じますね。
ここを飛騨の女工さん達が歩いたのかと感慨深くなるが、、、それにしても蝉がうるさい!
9:31 沢を渡り高度を上げる お初の花?
新旧2つの橋で野麦川を渡ると初めて見る花が咲いていた。
その先には、お助け小屋まで2.6kmの表示である。
ここにもベニバナイチヤクソウが旬の如く綺麗に咲いていた。

途中に咲いていたツツジのデカイ事・・・
でかいツツジ 9:38 お助け小屋まで2,4kmの中間地点
それにしても蝉がうるさいなぁ。(-"-)
静かな旧街道歩きをイメージしてきたが、全くの予想はずれだった。

お助け小屋まで2,4kmの中間地点を過ぎると、
地蔵堂の展望地までは高低差220mのジグザグ登りが始まり、登山らしくなってきます。
すると足元には見た事無い白い花が咲いていた。(ギンランとか)
ギンラン? 10:00 カラマツ林の中 倒木を越え
カラマツ林の中の大きなジグザグ道が延々と続きます。
鈍った足には徐々に堪えてきて、やっとこさ汗も噴き出る。
この辺りのカラマツ林の紅葉期はさぞかし綺麗だろうね。

傾斜も緩むと、今度は足元にマイズルソウが咲きだします。
10:11 地蔵堂で一服 地蔵堂からの乗鞍岳
30分程ジグザグ道を歩けば前方の空が明るくなってきて、
するとそこが地蔵堂のある展望地でした。
地蔵堂の反対側には、お〜〜残雪の乗鞍が雄大に聳えておるでわないか!
こんなにいい天気なら登りたかったな〜

その昔、女工さん達も手を合わしたであろう地蔵堂に、オイラも手を合わせます。
ここには三角点では無く、初めて見る「水準点」なる支柱が埋め込まれています。
展望地から野麦集落は・・・ ミズホウズキ
展望地から見下ろせる筈の野麦集落は、木々が育ったせいで見下ろせませんでした。
歩きだして1時間ちょい経過していたので、バナナを食べながら10分の休憩とします。
雄大な乗鞍を眺めていると、また登りたくなったね。
そうだ!調子が戻れば、以前から歩きたかった山頂から平湯までのロングコースを歩いてみようか。

そんな事を考えながら歩き出せばユキザサ、ミズホウズキも咲きだします。
そして周りの木々もカラマツからブナへと変化します。
中にはコメツガ、ダケカンバ等も点在していた。
旧街道も地形図で確認すれば、等高線沿いの緩やかな道のようです。
チョッと物足りない感じだね・・・^_^;
10:26 お助け小屋まで1,4km クルマグラ
ニリンソウに3輪 10:30 新緑ブナ林の中に続く旧街道
足元にニリンソウを発見!しかし、待てよ・・・
ニリンソウなのに花が3輪???サンリンソウ?訳が分からなくなったよ。

流石に高度が上がったせいか?うるさかった蝉の鳴き声は消え、
代わりにウグイスの鳴き声が癒してくれました。
足元にはマイズルソウ、ユキザサが咲き乱れ、この辺りから乗鞍を背後にして進む事に。
水平道の旧街道はリハビリには物足りない、まさにハイキングコースであった。
薄緑のゴゼンタチバナ 10:46 進路を右へ取る
小さな沢を渡る所にもミズホウズキ、ニリンソウ、ツクバネソウが咲いています。
ぬかるんだ街道には何時のものか、初めて登山者の足跡も残っておりました。

次に現れし花は、お馴染みのゴゼンタチバナで、ガクが薄緑のが多かったです。
昨年赤兎と御嶽で見つけたガク6枚は、ここでは発見できなかった。

陽が差す街道になると、昨年大川入山で見たアブラムシ被害の笹枯れが目立ちます。
すると突然「つがの家」なる建物とか東屋が現れます。(何に使ったのだろうか?)
このコースはリハビリには物足りないが、小鳥のさえずりを聞きながらの森林欲だね。

野麦峠まで0,6kmの標柱からガイドブックは野麦峠まで水平に行くようだが、オイラは展望台目指し右の斜面へ進路を取ります。
多分ここを登れば展望台へ着くだろう?と。

歩き出せば笹が茂り、笹枯れでズボンが汚れますが、5分で遊歩道へ合流。
振り返るとここでも乗鞍岳が顔を出していた。
10:54 展望台手前からの乗鞍 10:55 展望台 政井みね之碑
目の前の展望地には、見覚えある体型の人影がこちらを覗き込んでいる・・・
心配して覗いている母ちゃんだった・・・
展望台の案内板に「地蔵堂まで20分」の表示に、心配で見に行こうと思ったらしいが、
笹が茂っていたので止めたそうでした。

政井みね之碑が建つ展望台には観音像?と東屋が立っています。
腹も減ったので、少し早いが早速東屋でランチとしよう。
途中のコンビニで其々が調達した食料を、お互い其々のの腹に入れます。
子供と愛犬抜きでの母ちゃんと二人でのランチなんて何時以来だろうか?

待っている間、資料館と土産物屋で時間をつぶしたとか。
資料館では、一人なのにガイドのオジサンが色々と説明をされたそうです。
体調を崩した政井みねの兄は、河合村から塩尻までを二日で歩いて迎えに行ったそうな。
その帰りに野麦峠まで着いた所で、妹は息絶えたそうです。(有名な話)
野麦峠の由来は、笹の花が麦の穂に似ているところから付いたそうです。

気持ち良い風が吹く中、そんな会話をしながらのランチも25分で終了。
見下ろすお助け小屋の駐車場には、意外や車は少ない。
も一つ意外だったのが、この一帯携帯が圏外で使えなかった事です。
展望台にて 11:21 さて帰ろうか
ランチを終え展望台からお助け小屋へ下ります。
足元には白いニガナがポツンと咲いていた。

遊歩道を歩いて行くとツマトリソウ、マイズルソウが沢山咲いています。
そこで知った顔して、何も知らない母ちゃんに由来を説明します。
マイズルソウの由来は葉がツルが舞っているような型からで、ツマトリソウにはピンクの縁取りがある事などを話してやります。(*^^)v
遊歩道脇にツマトリソウ 11:32 兄に背負われた政井みね像
野麦峠より乗鞍岳 11:35 信州側への入口
アッシーの母ちゃんには信州側の入口地点まで車で下ってもらい、
オイラは野麦峠から信州側へと下って行きます。

以前来た時は、ここにみねの茶屋が建っていた筈だが、現在は跡形もなくなっていた。
11:36 信州側の三地蔵 11:41 整備された信州側
信州側へ下って直ぐに三地蔵が祭ってあります。
厳しい野麦峠越えで息絶えた人達の冥福を祈る為に建てられたそうです。

カラマツ林の中を淡々と下って行けば、飛騨側とは違った整備がされていました。
ベンチ、柵、案内表示、水場全てがしっかりとしていたね。
ここまで下ると又しても蝉の大合唱であった・・・(@_@;)

花が無いと思われた足元には、またしてもオドリコソウが少し咲いています。
11:53 シッカリとした表示板 11:58 ワサビ沢信州側入り口
沢沿いになると行きかう車の音が聞こえだし、1.3kmの信州側の入口へと辿り着く。
ワサビ沢の広い駐車スペースにはアッシー母ちゃんとエブリィ君がお待ちかね。
こうして約6kmの女工哀史の旧野麦街道歩きは終わりました。
お助け小屋 野麦峠から乗鞍岳をズーム
今回は何時もと違った旧街道歩きだったが、たまには良いかな?と思った次第です。
冗談から始まった今回のリハビリ登山も、趣向を凝らすと違った楽しみが出来るもんだね。
しかし、これ以上の山へ行くと自分の肺が壊れそうな気がして・・・
これからは、このような山遊びに専念する事になるのだろうか・・・


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