2008,5,4
野麦峠〜鎌ヶ峰手前1985m地点まで (岐阜・高山市) 


野麦峠から登る長野県境の藪山へ積雪期に挑戦!
結局 敗退レポです・・・・


野麦峠の標高は1672mで、毎年11月下旬には閉鎖され冬期通行止めなっている。
その間雪で閉ざされていた野麦峠は、毎年5月1日が山開きである。
今回の鎌ヶ峰を藪山好きの猛者は季節を問わず登るようですが、
一般的には山開き後の残雪期を狙って登る藪山であるようだ。
その藪山の残雪量はどれ程なのか?藪こぎはどの程度か?
藪山嫌いなのに、身の程知らずは疑問符ばかりで行って見る事に。

単独で行く予定だったが、前日の土曜の午前中に中年ジェット君から「明日は何処行くの?」メールが届く。
協議の結果同行してくれることになった。すると夜になってジェット君から「ITOちゃんも行くで」とメールが・・・
はたしてまだ山歩き初心者レベルのITOちゃんをあの山へ連れて行って良いものか?
結局、同級生トリオでの不安な出撃と相成った。(-"-)

高低差 313m(累計430m) 距離 4,5km
登り 2時間50分 下り 1時間50分
メンバー 中年ジェット君
ITOちゃん
ごっちゃん
アプローチ 180km 3:00
野麦峠P-(47分)-1850ピーク-(16分)-R30鉄塔-(32分)-塩蔵-(63分)-撤退地点1985m
撤退地点1985m-(40分)-塩蔵-(24分)-R30鉄塔-(47分)-野麦峠P
我が家へ5:00に迎えに来てくれる筈だったが、15分も前に来たので慌てて出て行く。
そしてITOちゃんの家へ4:55に着き、関・金山線で金山へ出てコンビニで食糧調達。
そしてR41を北上、久々野からR361を野麦峠目指してひた走る。
道中は会話が弾み笑えた笑えた・・・(^◇^)
野麦集落も近付けば山腹とか稜線には当然ながら残雪が確認できる。!(^^)!
そして目前に残雪タップリの乗鞍が現れ、次が御嶽とお馴染みの高峰がお出ましだ。
今日の新同級生トリオの初山行を祝うかのように、空には雲一つない晴天である。(*^^)v
7:24 野麦集落からの乗鞍岳 7:30 こちらは大好きな御嶽山
予想通り家から丁度3時間で野麦峠へと辿り着く。
同行の二人は数回野麦峠へ来たそうだが、オイラは子供が幼稚園の時にドライブで来て以来なので実に16年振りであった。
今でもあの時の事が鮮明に思い出される。

8時ではまだ観光客も居なく、静かな野麦峠の館屋上からは乗鞍が丸見えで早速一枚撮る。
トイレを済ませスノーシューとわかんを括り付け、まわしをして歩き出せば福岡ナンバーのバイクが一台。バイクの兄ちゃんに「長旅だね」と声を掛けてお助け小屋へ向かう。
8:13 気合いを入れ さあ〜行くぞ! 8:29 残雪のダケカンバ林を進む
今回の鎌ヶ峰を検索しても山スキーと藪山好きの方のレポだけで、
画像付きの詳しいレポには巡り合えない。
その中のレポを見比べれば鉄塔を目指して登るか、
前方ピークを西へ巻いて行く記述だけである。
取り合えず地図と目の前に広がる斜面を見比べれば残雪が多そうなので、
右へ大回りするより正面の1850ピークを目指して登ることにしたのである。

お助け小屋の右手から入って行けば、始まりは残雪が有ったものの次第に雪が無くなり
先へ行けそうに無い。
そこで左の谷の小さな堰堤を渡り谷沿いに進めば林道?に出た。
この林道を右へ行けば西回りで行けそうだったが、正面の斜面を直登して行く事にした。
(実はこの林道のような道が鉄塔巡視路で、1850ピークを右(西)へ巻いて楽に登るルートだった)
8:43 徐々に斜度も増す 振りかえれば穂高が頭を出す
最初は緩やかだったダケカンバ林の斜面も徐々に傾斜を増してくる。
雪も朝の割に緩んでいてキックステップも一発で決まり登って行くと、
振り返れば樹間から乗鞍、そして穂高の頭が望まれた。

益々斜度もきつくなり、上部ではブッシュも頭を出しているので、ルートファインディングで進む。
キックステップを切りながら先頭で登れば、後続の気楽な二人はバカ話で笑わせてくれる・・・
その度に力が抜けてヘナヘナとなるので「力が抜けるので笑わせるな!」と一括。

気を取り直して急斜面を登り切ると1850mピークに登り詰めビックリ!
想像以上のヤセ尾根で反対側へは急降下で降りれそうに無いのだ・・・(-"-)
9:00 1850ピークのヤセ尾根 9:08 藪を避け残雪沿いに
ピーク上でも地図を出しコース確認すれば、ヤセ尾根を右へ行くと目指す鉄塔へ下りれそうだった。
下を凝視すれば樹林越しの斜面下に残雪が確認でき、
それを目指して背丈を超える笹藪へ突入する。
すると県境を示す赤いポールが見えたので、それを目指して激藪をこぐはこぐは・・・(T_T)
そして鉄塔への尾根に降り立つも、この尾根上も激藪なので左側の残雪を辿って鉄塔へ。
残雪ルートから左には中央アルプスが望め、木曽駒と左に茶臼山らしき峰が。
中央アルプスもお出まし 9:12 R30鉄塔を目指す
今下りて来た激藪を振り返り、帰りには登り返さなければならないのだ・・・気が重い。(@_@;)



9:16R30鉄塔へ辿り着けば お〜〜乗鞍が〜 そして遠くには白山も!感動の写真撮影である。
鉄塔が邪魔なので右へ少し降りれば、ん?お〜巡視路らしき切り開きが有るではないか!
そうか!やはり登りだしは右(西)への回り道が正解だったようだ。
ここで帰りの藪漕ぎが無くなりホッ、、、有り難いねぇ (*^^)v
それにしても白い乗鞍をこんなに大きく眺めたのは初めてだったかな?



此処まで全体の1/3で、ほぼ1時間だったので後2時間か?と、安易な計算をする。
さて目指す鎌ヶ峰はどれだ?ここでも地図とにらめっこ。
正面手前が1959mの塩蔵で、目指す鎌ヶ峰は尖った最奥ピークから少し右へ進路をとった辺りで見えないようだ。
塩蔵への取り付き斜面にも残雪はあるので歩きやすそうだなと、安易な考えで12分の小休で先を目指す。
鉄塔から先には切り開きがあるので喜んで行って見れば、たまらんな〜直ぐに藪こぎとなった。(*_*;

9:33 こちらも藪を避け雪上歩き 9:40 ステップを切って
藪こぎも直ぐに残雪歩きに変わり、ステップを切り先頭で登って行く。
残雪が途切れると笹が出ていて、倒れた笹はとても滑りやすいので厄介だ。
先頭でステップを切っていると結構疲れるので足が止まり、
振り返れば後続の二人は楽しそうに会話をしながら登って来るね。
そこで先頭を交代すれば、後ろを着いて行く事の楽な事、早く変われば良かった。
振りかえれば穂高が後押し 10:00 三等三角点 塩蔵1959m
振り返れば穂高も西穂も前穂も揃い踏みで、手前が焼岳と思っていたが霞沢だった。
当然乗鞍も良く見える。
残雪の斜度も増して結構な急斜面へと変わって行くと、
油断していると太腿辺りまで踏み抜く事も増えて来る。

前方の塩蔵も近付けば残雪も途切れ、当然のように藪へと入って行く。
背丈を超える藪でルートは分からないが、取り合えずピークを目指せば着けるはずだ。
そしてひょっこり切り開きに着けば、何も表示は無いがここが三等三角点の塩蔵だった。
この「塩蔵」の読み方を「しおぞう」と呼んでいたが、ジェット君は「しおくら」と言っている。
(帰宅後パノラマCDで確認すれば「しおぞう」が正解で野麦峠反対側の「戸蔵」は「とぞ」と読む)
10:04 塩蔵先の藪突入 切り開きからの心地よい風で生き返る
塩蔵では記念撮影だけ済ませ先へ進めば、笹藪も多少低くなり喜ぶが・・・それも束の間。
途中数か所で少し開けた所が出現すると、麓から吹き上げる風が心地よい。
そして野麦街道を行きかうバイクの音が響き渡っている。
笹藪の下には倒木もあり、つまずいてこけそうなので細心の注意が必要だ。
10:14 残雪で歩き辛いヤセ尾根 10:30 目指すは尖ったピーク
徐々にヤセ尾根になり、苔むした岩、根っこ、凍った雪解け、そして残雪と苦戦の前進である。
そして当然藪こぎもあるが、残雪が現れるとホッとするね。
その藪こぎではスノーシューが引っ掛かる・・・スパッツのゴムも引っ掛かる・・・
ここの何処がスノーシューで歩くルートか!

藪の中には所々で赤布とか古いテープもあるが、県境ヤセ尾根がルートなので関係無いな。
今回赤布を20本用意して来たが、出番は無いようだ。

前方の樹林越しに御嶽山が見え隠れしているので、せめて御嶽が見たいなぁ〜
注 藪の中では写真を撮らなかったので易しそうに見えるかもしれないが激藪です
10:48 藪尾根を避け右斜面へ 11:01 先の展望求め急斜面のトラバース
ヤセ尾根の向こうに尖ったピークが確認出来た頃、尾根の藪が酷いので右の残雪へ入り込む。
ここまで来ると脳裏に途中撤退の文字がチラつき出す。
そろそろシャリバテ状態になって来たので、先頭のジェット君に申し出てエネルギー補給をする。
ここの標高は1970mだった。
山初心者のITOちゃんも此処まで怯む事無く良く着いて来た。立派なもんだ!
ここまで時々引っ掛かっていた横縛りスノーシューを立て縛りに変更する。

そして協議の結果、せめて御嶽山が望める辺りまで行って見て、
無理そうだったら撤退と決め歩き出す。
この辺りで初めて数日前?らしきトレースが残っていて、それを追って進む。
だが益々斜度もきつくなり、トレースは急斜面の藪へと入っていた。
我々も追従しようと眺めるが、垂直の壁のように立ちはだかる斜面を登る勇気は無かった。

我々は前方に明るい地点を見つけ、
そこから展望が望めないかと残雪トラバースで前進してみた。
しかし、画像を見れば分かるが、かなり長い急斜面でチョッと滑落が心配になる。
やっと御嶽山にも巡り合えた 野麦集落を見下ろす
慎重に開けた先端まで行って見ると、御嶽は山頂部が僅かに望めるだけだ。
一段上に登れば見れそうなので、木に掴まって頑張って登ってみた。
オイラと背格好が同じITOちゃんもよじ登るが、ジェット君は「俺は足が短いので登れん」と苦戦していたが、何とか登り皆で展望を楽しむ事ができました。
眼下には陸の孤島のような野麦集落も見下ろせます。
後ろを振り返ると凄いガレ場で、雪が無かったら登るべき所ではありませんでした。

鎌ヶ峰山頂は樹林帯に阻まれ展望が無いらしいので、ここで御嶽が見れ満足だね。
それにしても今回の藪山鎌ヶ峰を無積雪期に登られる方々を、改めて尊敬いたします。



最終到達点からの展望 左から御嶽〜白山〜乗鞍

11:16 さぁ戻るか・・・ 11:29 こんな尾根ばかりならいいのだが・・・
全体の半分チョッとしか来れなかったが、御嶽も眺めれたし時間も3時間を経過していたので、
1985m地点で潔く撤退とする。
登る勇気より撤退する勇気を優先します。

残雪のトラバースもズボズボと太腿まで沈む所もあり、難儀して帰って行く。
嫌いな藪こぎも帰りは楽しい!
11:52 塩蔵にてトリオで再度記念撮影 12:03 あ〜腹減った〜いそごうぜ!
雪の斜面を下っていてITOちゃんの歩き方が変だなぁ。
足を30cmほど滑らせながら歩いているではないか?
聞いてみれば、わざと滑らせている事が分かった。
8年前の残雪の経ヶ岳で、同じような斜面を数人が滑落して行くところを目撃した者として
当然黙っておれず注意をした。
間違って尻餅でも突けば、あれ〜と落ちて行くだけである。


穂高連峰から右方面には表銀座から常念岳から蝶ヶ岳までも望める

12:41 鉄塔下でランチ 乗鞍山腹に大滝が!マウスでアップ画像
撤退開始1時間で展望の良い鉄塔へ戻り、ノンビリランチとした。
ランチの最中に乗鞍を眺めていたITOちゃんの「滝があるぞ!」で目を凝らせば確かに!
かなりの落差がある大滝でわないか!よく見ると二段に落ちている。
御嶽の四ノ池から流れ落ちる幻の大滝は良く知っているが、
乗鞍にも大滝があるとは知らなんだ!こちらも雪解け限定の幻の大滝か?
山座同定をしていると位山・舟山スキー場が
確認できます。と言う事は左が川上岳で、
まん中が舟山、右が位山の川上三山だ。
丁度この時、昨年屏風山で出会ったかみ
ちゃん御夫妻が天空遊歩道を歩いていた
事が後日判明した。
頑張っているな〜(^^♪
今日の下界の予報は昨日同様暑くなっているようだが、
風が多少吹くもののここでも日差しは強く暑い。

朝は遠くにハッキリと確認できた白山も徐々に霞んで見えなくなってきたし、
乗鞍の背後からもガスが湧き出て来た。

鉄塔下でのランチも1時間が経ち、ボチボチと帰路に着く事にした。
13:23 雪に埋もれた巡視路を探し進む 13:36 気持ち良い雪原歩き
鉄塔からの下山路は当然歩き易い巡視路廻りだったが、直に残雪に埋もれて分らない。
でも、何とか確認でき順調に戻れたね。
雪も途切れてハッキリしていた巡視路も広い雪原に出てしまうとさっぱり分らない。
この雪原を右に進めば朝登った斜面に出れそうなので、
進路を右に取り歩いて行けば下に巡視路発見!
結局、所々で雪に隠れた巡視路を探し旧野麦峠展望地へと辿り着いた。
13:42 巡視路を探し 13:54 旧野麦峠で記念撮影
旧野麦峠展望地で出会った3人連れの登山者風の方達は、旧野麦街道を登って来られた。
この御婦人曰く「この時期に何回か来ているが、今年ほど残雪の多い年はなかったね」だと。
今年が多いのなら当然例年はもっと少ない事のようだ。
今年の残雪量は少ないのかと思っていたが、これ以上少なくても登れるのか・・・
今回スノーシューもワカンも全く出番が無かったが、どこがスノーシューで登る山か!と言いたい。
この山を無積雪問わず制覇する方は凄いもんだ。
いや・・・自分達が軟弱者なんだ。


旧野麦峠展望地より1850ピークを振り返る。
このピークを右へ巻いて行くのが巡視路ルートだが、我々は中央を直登したのです。

旧野麦峠 政井みね之碑 旧野麦峠展望地より現野麦峠を見下ろす
展望地で10分ほど休み観光客で賑わう駐車場へ戻れば周りからは好奇の視線を浴びたな〜
それよりも、無事帰れてホッとしたのが本音だ。

巡視路入口を探せば、お助け小屋左の発電機横にありました。
巡視路はここから入り、お助け小屋裏を経由して西へ進路を取ります。
それから展望地経由でも行けます。
お助け小屋左の巡視路入口 野麦峠駐車場より乗鞍を眺め帰宅の途に着く
14:05野麦の館入口近くに駐車してあったので、観光客の前で着替えるわけにはいかない。
そこで道路反対側まで移動して着替える事に。
そして土産物屋へ行き、僅かばかりの土産を買って2:45帰路につきました。
藪山好きではないオイラが今回の山へ出掛けたのは、明らかに身の程知らずと実感した。
その山へ自分が誘ったわけではないが、初心者を連れて行き無事帰れてホッとしたね。
二度とこの山へ挑戦する事は無いと思うが、素晴らしい展望には大満足だった。
そして半分チョイしか歩かなかったが、何故か達成感、満足感に浸れたのは何故か?
もし今回のレポを見て登ってみたくなった藪山好きなHP管理人さんが居たならば、
是非詳しいレポを作って欲しいと願う。
 あ〜岐阜百山を逃した・・・(T_T)
次回此処へ来る時は、旧野麦街道を歩く時だな。それがオイラにはお似合いだ。


注 ルート図&高低図は実測では無いので正確ではありません

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